ケニアの人々は、たいへんおおらかで人なつこく、初めて会う人に対しても、友人のように接する。ケニア人にかぎらず、アフリカの人々は、だいたい、おおらかで人なつこいようだ。だが、この人なつこさ、ときには、おねだりじょうずという一面ももっている。たとえば、酒場でたまたま隣に座った人に、「友だちだから」という理由で、「ビールをおごってほしい」と頼まれる。「友だちどうしは助け合うのが当然であり、友だちの自分がビールを飲みたくて困っているのだから、注文してくれるのが当然だ」というのが、その理由である。これは極端な例で、ケニア人全部がそうふるまうわけではないが、全体として、おねだりしょうずで、日本人の目から見れば、礼儀に反しているように思えたり、ずうずうしく思えたりすることがときどきある。このケニア人のおねだりじょうずには、「富の再分配」という意識がかかわっているのかもしれない。たとえば隣国のタンザニアでは、子供に対して、他人に惜しみなく物を分け与えるようにしつける。それで、人に物を惜しみなくあげるし、人の物が欲しければ遠慮なくねだる。ケニアにも、おそらく同じ価値観があるのだろう。物を盗んだ場合でも、貧しい使用人が金持ちの主人の物をくすねたのと、市場などで物を盗むのとでは、別の次元の問題となる。同じように貧しいアフリカ人の同胞から物を盗めば、その場の群衆による即決裁判により、集団リンチで殺される場合すらあるとか。
第1の不思議はオアフ島を斜めに走るコオラウ山脈の切れ目に当たるヌアヌ・パリの展望台だ。ここは裏オアフを見渡す絶景の場所にあり、風速30〜40メートルの強風が年中吹き荒れている。ここはその昔、カメハメハ大王がハワイを統一した際、最後の激戦地となった所で多数の兵隊が戦ったところ。夜、車でこの峠を訪れると馬のいななきや兵たちの雄叫びがどこからともなく聞こえるという。現地の人たちによれば、ここは冗談抜きで本当に怖い不思議スポットだそうだ。深夜ドライブに出て肝試しをしようなどとは決して考えないほうがいいらしい。第2の不思議はワイキキの背後にそびえるコオラウ山脈にあるタンタラスの丘だ。この丘だけ周囲の山脈からせり出し、ワイキキを眺める絶好の展望台となっている。しかし、ここを訪れるには車しかなく、デートに絶好の場となっているのだが、眼下に市街を望みながら人家までは意外に遠い。そのため様々な事件に巻き込まれた人も多く、集団で訪れる以外は行かないほうがいいといわれる危険スポットだ。
沖縄と内地との間には、グリニッジ天文台が決めたわけでもないのに時差があるという。内地とはずれた沖縄時間を「ウチナータイム」という。例えば、時計の針は同じ時刻を指しているはずなのに、相手がこない。で、いらいらして待っていると、30分くらいたってからようやく「暑いねえ」とかなんとかいってやってくるのだ。このとき、遅れた当人が謝ることはない。時間の遅れを責めても相手はポカンとしたまま、ということは多い。なんでか?ウチナータイムで動いているからである。ウチナータイムはだいたい30分以上遅れてゆっくり流れている。人ばかりではなく、バスもウチナータイムで走っている。さすがに30分も遅れることはないが、5分くらいの遅れはざら。さらに5分くらい早く。ハス停に到着しても、時間調整などせずに、走っていく。「沖縄の人はねえ、バスは時間通りに来ないものと思っているから、早く来たり遅く来たりしてもいちいちカリカリしないのよ。沖縄は暑いからねー、いちいち怒っていたらそのぶん体力を消耗するでしょう」でも、バスが時間通りにきたらカリカリしなくてもすむのでは?「それは内地の人の考え方。バスの運転手さんだって時間にカリカリしたくないわけさあ。あはははは」では、出勤に関してはどうなのだろうか?遅れるの?いやいやこの場合はさすがに1分でも遅れるとしっかり遅刻となり、給与にもひびいてくる。「やっぱ、お金がからむとさー。遅刻はしないやあね」「それとさー、『遅刻をしちゃだめ』という企業常識よりも、どうも『遅刻したら上司に怒られる』とか『誰某さんが困るから』っていう人間常識で判断しているような気がするなー」こんな話がある。ある建築現場で工期が遅れに遅れ、現場監督がいくら怒っても作業員さん達ののんびりモードが改められることはなかった。ある日、とうとう業を煮やした内地の会社から視察団が来ることになった。「もう、万事休す」。女性の現場監督さん「タイムカードにもウチナータイム」ってあの目から涙がポロリ。それを見ていた作業員さん達。「現場監督さんが困っている」と、その日から不眠不休で働き、内地から視察団が来る頃には予定の工期をクリアし終えたという。現場監督さんは感激のため、再度涙を流したとも伝えられている。この話を読んで「じゃ、最初から間に合うように働けばいいじゃん」というのは内地の人の考え方。誰某のためになら頑張るところが沖縄なのである。時間にしばられたくない。時間にカリカリしたくない。その理由には「暑いから体力を消耗する」というのもあるが、ある人がいみじくもこういった。「沖縄はまわりが海ばかりなので逃げ場がない。だから時間も人も突きつめたり追いつめたりしてはいけないんだと思うよ」しかし、昨今では遅刻だけでなく、打ち合わせの時間も厳守という企業が増えてきた。ちまたではそれを「企業の内地化」と呼んでいる。あるとき、打ち合わせの時間に遅刻しそうになり、タクシーに乗り込んだ。すると、運転手さんがこういった。「ネーサン、打ち合わせの相手は内地の人だね。内地の人は時間にうるさいからねー。約束の時間ちょうどには着かないとね。でもね、ネーサン。アメリカー(アメリカ人)はもっとうるさいよ。約束の時間の15分前には着かないといけないんだよ」