根強い人気の大学受験の費用

予備校でのR君は、担任の目から見ても、比較的まじめなしっかりした学生である。授業は休まずに出席しており、予備校入学時には平均で五〇台の中盤だった偏差値も六〇近くまで上昇していた。第一志望のK大学に合格するにはまだ足りないものの、今のペースで努力していけば決して不可能な成績ではない。担任は、R君の母親から電話がかかってくるたびに、このような内容を繰り返し伝えた。その時は、母親も一応納得して電話を切るのだが、何日かするとまた同じような電話がかかってくる。何かを問い合わせるというよりも、不安に駆られて電話をしてしまうという感じだった。夏休みが間近に迫ったある日、R君がカウンセリングルームにやってきた。担任に相談したところ、カウンセリングをすすめられたということだった。小柄で色白なR君は年齢よりもやや大人びた感じのする学生だった。「今、家族のことで悩んでいて……、家にいると実際、大学受験勉強どころじゃないんです」とR君は訴えた。

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