選りすぐりの質屋特選情報

私、遠回りって大嫌いなんですよ。目標は質屋の番頭さん。そうと決めたらまっしぐらでした。そのために何をしたかというと、1時間に1回トイレに行ったんです。トイレは2階、カウンターの隣にあったんですね。だからトイレにかこつけては2階に上がり、査定しているところを覗いて「何を買われたんですか」「どのくらいの値段をつけたんですか」と番頭さんにまとわりつく。これを1時間に1回やったわけです。さすがに煙たがられて、「なんだお前、トイレが近すぎないか…」などと言われるんですが、「いやあ、そうなんですよ」なんてしゃあしゃあと言っていましたから、自分で言うのもナンですが、結構面の皮は厚いですね。今でこそ、質預かりや買取の詳細はパソコンを使ったPOSシステムで管理していますが、当時はまだ分厚い台帳を使っていた時代。質札に筆ペンで漢数字を書き込むという、アナログな作業も必要でした。さらに、買取と違って質預かりの物品は、ただ店で預かっているだけで、まだお客様のものです。だから丁寧に扱わなければならない。傷がついたり汚れたりしないように、ひとつひとつ丁寧に梱包しなくてはなりません。今はエアパッキンなども使いますが、当時は新聞紙や古い和紙で包んでいたものです。

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