執行裁判所は、差押えが効力を生じた後に、評価人を選任し、目的不動産の評価を命じる(民事執行法58条1項)。目的不動産の換価の適正を期するためには、目的不動産を適正に評価することが不可欠である。そのため、評価人が評価をするに際し、不動産に立ち入り、または所有者もしくは目的不動産を占有する第三者に対し、質問をし、もしくは文書の提示を求めることができる(同法58条3項)。さらに、職務の執行に際し抵抗を受けるときは、執行截判所の許可を得て、執行官に対し援助を求めることもできる(同法58条2項)。
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なお、目的物件の評価のための調査を能率的に行なうため、平成10年の改正法により、評価人についても執行官と同様、新たに(1)いわゆる件外物件(目的物件が土地である場合の建物および目的物件が建物である劣合のその敷地)に対して課される租税その他の公課について、所管の官庁または公署に対し、必要な証明書の交付請求を(民事執行法58条、18条2項)、(2)市町村に対し、目的物件(件外物件も含む)に対して課される固定資産税に関して保有する図面その他の資料の写しの交付請求を(同法58条、57条4項)、(3)電気、ガスまたは水道水の供給その他これらに類する継続的給付を行なう公益事業を営む法人に対し、必要な事項の報告を(同法58条、57条5項)、それぞれ求めることができることとされた。目的不動産についての評価は、目的不動産の権利関係等の認定が前提となるので、執行官による現況調査との関係が問題となる。しかし、評価人も独自に占有関係等を調査し、現況調査の結果とを相互に辿挑して照合引き合わせることができることから、評価命令は、原則として、執行官に対する現況調査命令と同時に発令される。評価人の資格について、民事執行法は明記していないか、評価の充実、適正化を図っている趣旨からすると、できる限り専門家である不動産鑑定士を選任すべきであり、現に実務でもそのように処理されている。